左さんによると、地名がつく鍛冶職人は「京鍛冶」「江戸鍛冶」だけ。今ではそのほとんどが絶えてしまっているそうです。
江戸鍛冶の定義は何かとお聞きしたところ、ひとつは「多品種少生産であること」。左さんはなんと274種類の刃物(主に大工・木工職人の道具)に対応できるそうです。しかもそれらはすべて、顧客の要望・要求に応える完全オーダーメイド。
(他の地域では、包丁なら包丁、ノミならノミというふうに、少品種を作り続ける鍛冶屋さんがほとんどだとのこと)
さらに、鉄と鋼の鍛造・鍛接から研ぎまで、すべての工程を一貫してこなすのが江戸鍛冶の特徴だというお話を聴かせていただきました。
左久作さん
昭和30年月島生まれ。月島第一小学校卒業。日本で唯一の江戸鍛冶。祖父・父を継いで三代目左久作となるが、江戸鍛冶としての血筋をたどると江戸時代初期にまで遡る。
大工・木工職人等からのオーダーメイドで274種類の刃物を作る。包丁・刀など人を殺傷する刃物は一切作らない(包丁研ぎは承ります)。
(外部リンク)
江戸刃物鍛冶の系統―「左久弘」系について