左さんがこの仕事に入った頃、師匠である父からきつく言われたことが、師匠が「白いカラスがいるね」と言ったら「はい、そうですね」と言えること。未熟なうちに師匠に意見することは許されない、という厳しい掟のようなものでしょうか。
一方で、父に「失敗だ」と言われたものを捨てずに必ずとっておき、その理由を自ら分析しながら技を磨いてきた左さんの職人魂にも驚かされます。
左久作さん
昭和30年月島生まれ。月島第一小学校卒業。日本で唯一の江戸鍛冶。祖父・父を継いで三代目左久作となるが、江戸鍛冶としての血筋をたどると江戸時代初期にまで遡る。
大工・木工職人等からのオーダーメイドで274種類の刃物を作る。包丁・刀など人を殺傷する刃物は一切作らない(包丁研ぎは承ります)。
(外部リンク)
江戸刃物鍛冶の系統―「左久弘」系について