鍛冶屋の世界では"技は盗むもの"。江戸鍛冶である三代目左久作さんが先代である父から教わったものは、大師匠であり曾祖父でもある三代目左久弘さんが考案した、鉄と鋼をくっつける"くすり"の配合でした。
また、左さんはまだ先代を超えられないことがあると言います。それは数百年前の和鉄にグラインダー(研削盤)を当てた時に生じる火花を見ただけで、その鉄が作られた年代がわかるという能力。
名工だけにしかわからない深い世界。左さんの、先代や大師匠に対する畏敬の念が伝わってきます。
動画の中で、左さんがご自身の研究のために作った刀を見せていただきましたが、左さんは刀や包丁など人を殺傷する道具は作らない、という
ポリシーをもっていらっしゃいます。包丁研ぎは承るということです。
左久作さん
昭和30年月島生まれ。月島第一小学校卒業。日本で唯一の江戸鍛冶。祖父・父を継いで三代目左久作となるが、江戸鍛冶としての血筋をたどると江戸時代初期にまで遡る。
大工・木工職人等からのオーダーメイドで274種類の刃物を作る。包丁・刀など人を殺傷する刃物は一切作らない(包丁研ぎは承ります)。
(外部リンク)
江戸刃物鍛冶の系統―「左久弘」系について