昭和30年生まれで、江戸鍛冶である三代目・左久作さんの記憶。
祖父、初代・左久作さんは、大正11年に月島に移り住みました。その頃、月島は新興住宅地。さらに、水に囲まれていたため、家屋大工(町大工)、造作大工、船大工などさまざまな職人が住んでいて、必要な道具を手作りする鍛冶屋さんも大勢いたようです。
左さんの子どもの頃もまだ鍛冶屋は何軒か月島にあったそうですが、そのほとんどはかすがいだけを作る、釘だけを作るといった、単品大量生産スタイルだったそうです。その頃に見た近所の鍛冶屋の様子を語ってくださいました。
ちなみに左さんは、なんと274種類ものオーダーに対応するそうです。
左久作さん
昭和30年月島生まれ。月島第一小学校卒業。日本で唯一の江戸鍛冶。祖父・父を継いで三代目左久作となるが、江戸鍛冶としての血筋をたどると江戸時代初期にまで遡る。
大工・木工職人等からのオーダーメイドで274種類の刃物を作る。包丁・刀など人を殺傷する刃物は一切作らない(包丁研ぎは承ります)。
(外部リンク)
江戸刃物鍛冶の系統―「左久弘」系について